「食べてすぐ寝ると牛になる」とは
「食べたその場ですぐ横になるのは行儀が悪い」という意味の戒めのコトバです。
「食べてすぐ横になると牛になる」と表現されることもあります。
牛が食べてすぐ横たわる理由
牛は本来、草などの繊維質の多い餌を多量に、反芻して食べます。
反芻とは、一度飲み込んだ食べ物を再び口の中に戻して、再咀嚼することです。
牛には胃が4つあり(※人間胃に相当するのは第四胃ですが、その前に三つの胃があります)、草を食べるとまず1つ目の胃で発酵させ、その後口に戻してモグモグ。また飲み込んだ後は2つ目の胃に入れ、再度口に戻して…を繰り返します。
そして、体を横にすると食べ物をスムーズに移動して反芻しやすいので、牛は、食べた後すぐに横になる習性があります。
人間が食べてすぐ寝るとどうなるか
胃の働きが悪くなる
食べてすぐ横になると、胃の中身が戻ってきやすくなってしまいます。
本来は胃から腸へ向かって消化されながら移動する食べ物が、胃で長く停滞したり、食道へ逆流したりして、消化吸収が悪くなる可能性があります。
消化不良は下痢を起こす原因にもなります。
体脂肪が蓄積されやすくなる
食事の直後に眠ってしまうと、エネルギー消費量が減るため、食事で摂ったエネルギーの余剰分が増えてしまいます。
また、食後は血糖値が上昇するため、休んでしまうと血中の糖がほとんど使われず脂肪として蓄積され、結果的に太りやすくなります
横にならないといけない程飲み食いしないように気をつけましょう。
睡眠の質が低下する
食べた直後に眠ると睡眠の質も低下し、浅い眠りになってしまいます。
睡眠の質の低下や寝不足は、肥満の原因になるとも言われていますので、食べてすぐ横になることは避けたいところです。
食後の運動のススメ
食後30分~1時間後に運動をすると良い
食後は、食べ物に含まれる糖分が全身に送られ、30分~1時間ほどかけて血糖値が上昇していきます。
すると、血糖値を下げるために膵臓から「インスリン」というホルモンが分泌されます。
インスリンは、血糖値を下げる過程で余ったブドウ糖を脂肪に変換し体に溜めこむ働きもありますので、急激に血糖値が上昇しすぎると、 インスリンの分泌が過剰になり、脂肪が蓄積されやすくなります。
つまり、血糖値の上がり方が急であればあるほどインスリンが多量に分泌され、「糖が余っているから脂肪に溜め込まなければ」と体が判断してしまうため、消費しきれなかった糖質や脂質が脂肪となって体に溜め込まれやすくなります。
そのため、血糖値が上昇する時間帯(食後30分~1時間)にあわせて運動することで、糖質や脂質がエネルギーとして消費され、脂肪を溜め込まない体を目指すことができます。
食後に運動するメリット
食後の血糖値の上昇を抑えられる
食後に運動をすることで血液中の糖分がエネルギーとして消費されます。
その結果、血糖値が下がりインスリンの分泌量も減るため、血糖値の上昇がゆるやかになるだけでなく、最高値も抑えられるようになります。
また、血糖値がより早く下がり始めるそうです。
エネルギー消費が上がる
運動をしてからしばらくの間は、体は脂肪が燃焼しやすい状態になります。
筋肉が分解されにくい
運動をする際にエネルギーとして必要なのが糖ですが、空腹で糖分が体にない状態で運動をしてしまうと筋肉を分解してエネルギーに変えてしまいます。
食後に運動をすることで、体に糖がしっかりとある状態で運動ができるため筋肉が分解されることはありません。
筋肉量を維持するためにも食後の運動がオススメです。
食後に運動する際のポイント
食後すぐの運動は避ける
食事直後、すぐに運動を初めてしまうと、食べ物を消化するために必要な血液が胃に行き渡らなくなることにより、消化不良を引き起こす可能性があります。
食後20~30分位はゆったり休んでから運動するとよいでしょう。
血糖値が上昇する時間帯(食後30分~1時間)にあわせて運動するのが効果的です。
運動前の食事では、脂っこいものは避ける
脂質の消化には時間がかかるため体に負担をかけてしまいます。
激しい運動は避ける
激しい運動は消化器官の負担になってしまい、腹痛や吐き気の原因になりやすいので避けましょう。
食後に行う運動は、ウォーキングなどの身体に負担の少ないものにしましょう。
食べたものを体脂肪にしない方法
食後に運動をする
食後血糖値は自分で下げることができます。
そのために有効な方法が運動です。
食べたものが消化吸収され血糖値が上昇していく食後30分~1時間くらいに合わせて体を動かすことで、全身に血液が行き渡り、消化吸収の速度を遅くすることや血糖をエネルギーとして消費することができ、結果的に血糖値を下げることができるのです。
腹八分目を心がける
動きたくなくなるまで食べるのはやめ、腹八分目を心掛けましょう。