ナスは低カロリー低糖質な上に嬉しい成分も豊富
ナスの特徴
ナスはほぼ水分でできているため、非常に低カロリーでヘルシーな野菜です。
単にカロリーが低いだけでなく、デトックス効果のあるカリウムや、便通を改善する食物繊維などの栄養素を含みます。
- 低糖質
- 食物繊維
- カリウム
- ナスニン
- コリンエステル
ダイエッターにとっても好ましい食べ物と言えます。
低糖質
ナス100g当たりの糖質は2.9gです。
糖質制限中の方やダイエット中の方にもおすすめできる野菜のひとつです。
食物繊維
ナスはおなかの調子を整える「食物繊維」を多く含みます。
食物繊維は、便秘の予防・改善はもちろん、血糖値の上昇を緩やかにしたり、血中コレステロール値を低下させたりする働きがあります。血糖値の上昇が緩やかになると体に中性脂肪がたまりにくくなります。
カリウム
ナスはむくみを防止する「カリウム」を豊富に含みます。
カリウムは、むくみの原因となる塩分を身体から排出してくれる性質を持っています。身体のむくみは体重増加だけでなく、老廃物の排泄を妨げるなど身体にとってデメリットが多いです。
ナスニン
なすの皮にはアントシアニンの一種である「ナスニン」が含まれています。ナスニンはポリフェノールの一種でナスの特有成分です。
ナスニンは抗酸化作用や目の健康を助ける力があります。抗酸化作用によって身体の細胞の老化を抑えることができるのです。アンチエイジングに取り組んでいる方にとっては嬉しい成分ですね。
コリンエステル
ナスには「コリンエステル」が豊富に含まれています。
コリンエステルは、摂取することで、副交感神経活動が増えるため血管が拡張し、血圧が下がります。
ナスを調理するときの注意点
- 皮を剥かない
- 油の種類や量に気をつける
- 切らずにレンチンがオススメ
皮を剥かない
前述の通り、抗酸化作用を持つナスニンはナスの皮に含まれています。
ナスニンの抗酸化作用の恩恵をしっかり享受するにはナスの皮を剥かずに食べるのがおすすめです!
油の種類や量に気をつける
ナスは油をよく吸収するので、油の種類に気をつかったり、油の量を意識的にひかえたりする工夫をしましょう。
切らずにレンチンがオススメ
後述しますが、ナスは切らずに丸ごとラップで包んでレンジ調理するのがオススメです。
夏にこそ食べたいナス
夏は、血圧高めにとって注意が必要な季節です。
暑い屋外から冷房の効いた屋内に入ると、急な温度差で血管が収縮して血圧が上昇してしまうからです。
さらに大量の発汗などで水分が不足すると、血圧が上がりやすくなってしまいます。
そんな血圧の改善効果を期待できる野菜が「ナス」です。
ここから下は、2022年5月31日に放送されたテレビ朝日系『林修のレッスン!今でしょ』の放送内容を元に書きます。
血圧を下げる成分「コリンエステル」とは
ナスに豊富に含まれる「コリンエステル」は、消化管に働き自立神経を調整してくれます。
摂取することで、副交感神経活動が増え、リラックスでき、血管が拡張し血圧が下がります。
ナスには、他の野菜と比べると約3000倍の量のコリンエステルが含まれています。
ナスの正しい選び方
ナスのコリンエステルは収穫後時間が経つと減っていくため、新鮮なものを選ぶことが重要です。
朝穫り新鮮 産地直送無農薬野菜- ナスのヘタと実の間が白いものを選ぶ
- ナスのヘタのトゲトゲが目立つものを選ぶ
ナスのヘタと実の間が白いものを選ぶ
新鮮で栄養豊富なナスを選ぶためには、ナスの実とヘタの境目をチェックしましょう。
ヘタと実の間にある白いもの=ナスの成長の跡がくっきりとあるものを選ぶのがベストです。
ナスは日に当たるとナス紺と呼ばれる紫色に変わります。
ヘタの下の実が白から紫へとグラデーションになっているものは、早く成長している証です。
生長が早いナスほど、白の幅が広く、形がきれいで実がやわらかいです。
(逆に白い部分がなく生長が遅いものは形がいびつで実も固くなります)
また、白い部分があるものは、朝早く採った新鮮なナスである証拠でもあります。
スーパーでナスを選ぶときは、是非、ヘタの下の白い部分に注目してみましょう。
ナスのヘタのトゲトゲが目立つものを選ぶ
新鮮なナスはトゲが強く固いのに対し、時間が経ったナスはトゲが目立たなくなります。
トゲが目立たなくなるのは、収穫して何日か経つと、水分が抜けトゲが柔らかくなるからです。
新鮮なナスはトゲが立ちます。トゲがあるものは新鮮な証ですので、ナスを選ぶときはトゲの固いものを選びましょう。
効果的な調理法:コリンエステルが倍になる加熱法
切らずに電子レンジで加熱する
調理が楽なだけではなく、栄養的な観点からもナスはレンジ調理がオススメです。
切らずに加熱することで、コリンエステルという栄養成分を分解する酵素が壊れコリンエステルが約2倍以上になります。
もともと他の野菜の3000倍のコリンエステルが含まれるナスですが、レンジでチンすることでさらに倍(6000倍)のコリンエステルを摂取することができます。
ナスは切ってしまうとコリンエステルを分解する酵素が発生しますので、ナスは切らずに丸ごとラップで包んでレンジで加熱することがポイントです。それだけでコリンエステルを2倍に増やせます。
なお、コリンエステルは水に溶けやすい性質があり、長時間水にさらすと流れ出てしまいますので注意しましょう。
高血圧改善効果が期待できるナスの食べ方
ナスのぬか漬け
ナスのおすすめの食べ方は“ナスのぬか漬け”です。
ナスにはコリンエステルの他にGABAというアミノ酸が含まれていて、コリンエステルと同じように、交感神経を抑制して副交感神経を優位にし、体をリラックスさせ、血圧を下げる効果が期待できます。
ぬか漬けにするとGABAが増えることが分かっているので、コリンエステルとGABAとのダブル効果でより血圧を下げる効果が期待できます。
2022年5月31日テレビ朝日系『林修のレッスン!今でしょ』
本記事の後半(特に選び方や調理法)は、2022年5月31日のテレビ朝日系『林修のレッスン!今でしょ』内の「医師・専門家も感心!生産者から学ぶ!夏の最強野菜ベスト3 選び方・調理法・保存法SP」コーナーの枝豆紹介部分を参考に書きました。
番組情報
【放送日】2022年5月31日(火) 20:30~21:48
【放送局】テレビ朝日系列
【MC】林修
【副担任】斎藤ちはる(テレビ朝日アナウンサー)
【学級委員長】バカリズム
【学友】伊沢拓司、檀れい、伊集院光、高山一実、橋本涼、森千晴、
【講師】
- 市橋研一 先生(市橋クリニック院長)
- 髙橋徳江 先生(順天堂大学医学部附属浦安病院 管理栄養士)
- 星野泰三 先生(プルミエールクリニック院長)
- 中村浩蔵 先生(信州大学農学部准教授)