肥満の人へ朗報!デブはあなたのせいじゃない
私たちがお菓子を食べるのをやめられないのは、意思が弱いからなのではありません。
計算しつくされた加工食品メーカーの思惑にまんまと体が反応しているだけなのです。
一度手を出したら最後。止まらなくなります。
止められないように作られているのです。
まるで麻薬です。
加工食品に仕掛けられた罠は塩、脂肪、砂糖の大量使用
この本の原題は【Salt, sugar, fat】(塩分、糖分、脂肪分)。タイトルはそのままにした方が良かったのでは…?と思うくらい、塩分糖分脂肪分がいかに美味しくて危険か書かれています。
この本では、私たちがどうして砂糖・塩・脂肪が大好きなのか、何故世の中には砂糖・塩・脂肪がたくさん使われた加工食品が出回っているのか、が説明されています。
人間が砂糖・塩・脂肪を好む理由
300年ほど前までは、はるかに餓死の方がリスクが高かったため、人間の体は栄養価が高いものを積極的にとるようにプログラミングされています。
- 砂糖の甘みが増せば増すほど脳は快感を感じる
- 脂肪は人間の体が際限なく求めてしまう
- 塩は全ての生き物が細胞レベルで要求するもの
消費者が求めるものを作っていくと、自然と砂糖・脂肪・塩がたくさん含まれた食品が出来上がります。
加工食品会社はこの現状をまずいと認識していますが、減らすと売り上げが落ちてしまうので、再び油の量や砂糖・塩の量を増やし、世の中には砂糖・脂肪・塩をたくさん使った商品が溢れます。
加工食品会社の重役たちは、自分達が売っている物を食べてもいない人が大多数とのことで、いかに加工食品が身体によくないものかが分かります。
企業の存在目的は「人々の健康」じゃなく「利益追求」だから仕方がないことですし、これに対し消費者ができることは自分で意思を持って消費するものを選ぶしかないなあと改めて感じます。
至福ポイント
糖
糖分には至福ポイントと呼ばれる、一番美味しく感じる糖度と構成物の組み合わせがあるそうです。
(糖分や脂肪分の配合量がある値にぴたりと一致していると消費者が大喜び!)
この至福ポイントは、一日の摂取量を大幅に超えたところにあります。
脂肪
脂肪分には、舌に膜をつくり、他の味をコーティングしてまろやかにする作用や、味を引き立てる作用があります。
脂肪分の真の力は口当たり、触感の向上にあります。
脂肪分には、糖と違って至福ポイントが無いため、脂肪たっぷりであればあるほど脳が喜ぶように出来ています。
また、脂肪に少し糖を加えると魅力が高まるという効果があります。
塩
加工食品は、食べ物の保存、調理、味付けに食塩が必須です。
食塩がなくなると風味、味、食感がガクンと落ちるため、一定ライン以上は減らせません。
加工食品は化学で成分を調合された工業製品なのだということが良くわかる本でした。
加工食品から塩分・糖分・脂肪分を少々取り除くと、食べ物ではなくなってしまうのである。
フードトラップ 食品に仕掛けられた至福の罠
彼らが利用してきた塩・砂糖・脂肪は、栄養素よりも兵器に近い。競争相手をまかすためではなく、消費者にもっと買わせるためにも利用される兵器である。
フードトラップ 食品に仕掛けられた至福の罠
意外だったのは、糖分摂取において、素早く口の中で溶ける食べ物はカロリーがないと脳で判断されるとということ。
砂糖も溶けていればカロリーがないものとして身体に入ってしまう。
(固体では、加糖炭酸飲料コップ一杯分=小さじ6杯の砂糖は食べにくい)
フードトラップの甘い罠に掛からないように
筆者は「最終的な選択権はわれわれの手にある」と述べている。
何を買うか、どれだけ食べるかを最終的に決めるのは私たち消費者です。
そして、加工食品を摂り過ぎるとどうなるのか分かっていたら、落とし穴には落ちません。
自衛するためにも、知識をつけて、加工食品の食べ過ぎや清涼飲料水の飲みすぎに気をつけたいと思います。