「座りっぱなし」は運動で相殺できない
アクティブカウチポテト
カウチポテト
まず、アメリカでは、大きなソファーに寝転がったままほとんど動かず、テレビやビデオを観ながらスナック菓子を頬ばる人々のことを「カウチポテト」と呼びます。
アクティブカウチポテト
「アクティブカウチポテト」とは、「運動習慣があるから大丈夫」とそれ以外の多くの時間を座って過ごす人のことを言います。
実はこれがとても危険!
たとえ毎日運動の日課があったとしても、長時間座り過ぎの健康リスクは帳消しにはならないのです。
日本人は世界一座っている民族
上のグラフは、2011年にシドニー大学が行った調査結果です。この調査によると、世界20カ国の総座位時間の平均が300分/日に対して、日本では420分/日と平均から2時間も多い結果となりました。そして、日本はサウジアラビアと並んで、世界一座っている国であると示されました。
「座ることがあなたを殺す」(sitting is killing you)より
1日に6時間座っていると死亡リスクが40%増大する
1日に6時間座る生活を続けていると、たとえ日常的に運動をしていたとしても1日に3時間しか座らない生活の人に比べて15年以内に死ぬ確率が40%増えるとのこと。リスクを回避する方法はただ一つ、「座る時間を減らすこと」。
太っている人はやせている人に比べ1日に2時間半長く座っている
座っているときはほとんどエネルギーを消費せず、必然的に肥満になりやすくなります。
痩せている人は太っている人に比べて、立っている時間が1日あたり153分長いという研究結果があります。
これはカロリー消費量に換算すると約350kcalで、ご飯2杯分です。
座ったままの生活が引き起こす健康リスク
座ったまま過ごす時間が4時間増えると――
引用元:【保健指導リソースガイド】肥満対策に「立つだけダイエット」 座る時間を減らせば減量できる
・ エネルギーの消費量が減少し、エネルギー代謝が悪くなる。
・ 体脂肪を燃焼させるホルモンが不活性になる。
・ インスリンの効きが悪くなる「インスリン抵抗性」が起こり、血糖値が上昇しやすくなる。
・ 血管の内皮機能が低下し、交感神経の働きが上がり、血圧が上昇しやすくなる。
・ 脚の筋肉が衰え、肥満になりやすくなる。これらが相乗的に作用し、エネルギー代謝がますます悪くなる。
【立つだけダイエット】デスクワークの人が運動量を増やすには?
残念ながら、普段から運動を日課にしていても、長時間「座りっぱなし」の健康リスクは帳消しになりません。
座っている時間が長いまま運動しても健康リスクに変化はないので、日々の「座りすぎ」時間を少しでも減らすことこそが重要です。
運動をプラスするのではなく、いかに生活の中で活動量を増やすかということがポイントになってきます。
仕事中の工夫
理想は20~30分に一度は立ち上がることです。デスクワークを中断して少しでも立ち歩く時間を作るだけですので簡単です。難しい場合は、せめて1時間に1回は必ず立ち上がり、血流改善を図ります。
- トイレ休憩にいく
- 飲み物を取りにいく
- コピーを取りにいく
- 内線電話や電子メールで済まさないで、相手に直接話す。
仕事中に立ち上がることか許されないならば、足を伸ばしてみたり、かかとを上げ下げしてふくらはぎを動かすなどをしてみましょう。
通勤時の工夫
- 最寄り駅の一駅手前で降りて歩く
- エスカレーターやエレベーターを使わず階段を使う
- 最寄り駅から自宅までのルートを変え、遠回りするコースを歩く
会社まで出勤せずにリモートワークをしている方は更に運動量が少なくなっているので、注意が必要です。スタンディングデスクなどの導入も検討してみましょう。