こむら返りの原因と対策
こむら返りとは
こむら返りとは、足(特にふくらはぎ)に起きる筋肉の痙攣のことを指します。
※「こむら(腓)」はふくらはぎを指す言葉です。
「足がつる」と表現されることもあります。 ほとんどの場合は数分間でおさまります。
ふくらはぎの筋肉が伸縮バランスを崩してしまい、筋肉が収縮したまま弛暖しない(=元に戻らない)状態になり、激しい痛みを伴う症状です。
病気ではないとはいえ、痛みがおさまるのをひたすら待つくらいしか出来ないのは非常に辛いものです。
一般的に、急に体を動かしたときに起こりやすい症状ですが、就寝中に起こることもあります。
こむら返りを起こしやすい人
- 中高年
- 妊婦
- 立ち仕事の多い人
こむら返りの原因
- 運動不足
- 栄養不足(ミネラル不足)
- 水分不足
- 運動や労働による肉体の疲労
- 冷え
- 熱中症
- 急激な寒暖差
運動不足
運動不足だったり、運動前のウォーミングアップが不足しているときなどに起こります。
特に高齢者の多くは慢性の運動不足のために、少し足を伸ばしたりふくらはぎを打ったりしただけでもこむら返りを起こしやすいです。
栄養不足(ミネラル不足)
ミネラルの中でもカルシウムやカリウムは筋肉の興奮の抑制や収縮・神経情報の伝達に関わっています。
この2つのミネラルを調整しているのが、マグネシウムです。
3つとも大切なミネラルですが、不足するとこむら返りが起こりやすくなります。
水分不足
運動中や就寝中の発汗による脱水もこむら返りを起こしやすくする原因です。
トイレに起きるのが嫌で夜に水分を摂りたがらない方は要注意です。
運動や労働による肉体の疲労
疲労物質がたまると、筋肉の制御機能が狂うことがあります。
その結果、筋肉が誤作動を起こし、こむら返りにつながると考えられています。
冷え
冷えもこむら返りの原因となります。
冷えて筋肉が収縮することで血行が悪くなり、こむら返りを起こしやすくなるからです。
熱中症
夏場のこむら返りは単なる脱水だけでなく、熱中症のサインとも言われています。
急激な寒暖差
過度な寒暖差で、過度に筋肉が収縮することによりこむら返りが起こることがあります。
こむら返りが起きたときの対処法
応急処置
こむら返りが起きたときには、まずは収縮した筋肉を伸ばします。
こむら返りになった足の膝を伸ばし、つま先をつかんでゆっくりと手前に引き寄せます。届きにくいようなときにはタオルなどを使って引っ張ってもいいでしょう。
患部を温める
ふくらはぎをお湯や蒸しタオルなどで温めます。
芍薬甘草湯
「芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)」は、一般的に筋肉がけいれんして、急に強い痛みが出た方、運動中や就寝中に足がつる方、たまに運動するとこむらがえりや腰痛を起こす方などにおすすめの漢方製剤です。
筋肉がつった状態は、「気」と「血(けつ)」が一時的に不足している状態。言い換えれば、動力と栄養分が足りなくなった状態というのが漢方の考え方です。激しい運動をしてたくさん汗をかいたときや、就寝前に起こりがちな足のつり(こむら返り)には、不足した動力と栄養分を補給することで対処します。
「芍薬甘草湯」は、不足してしまった「気」と「血(けつ)」を補い、筋肉の急なけいれんを鎮める作用のある処方です。他に、筋肉のけいれんを伴う腹痛や腰痛にも効果があります。
クラシエ「漢方薬名解説」「 芍薬甘草湯」
こむら返りの予防法
足を酷使したり筋肉疲労以外でも頻繁に足がつる場合、食生活の見直しやこまめな水分補給により体内のミネラルバランスが整うことで、症状の改善が期待できる場合があります。
- 激しい運動を行う前にはストレッチ等の準備運動を行うこと
- 運動後・発汗後の水分補給や塩分補給を行うこと
- マッサージやストレッチなどを定期的に行うこと
- ミネラル不足にならないよう栄養バランスの良い食事を摂ること
- 寝る前にコップ一杯の水の摂取を行うこと
- 足を冷やさないように温めること
などが大事です。